ブックタイトルかわさき市政だより

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概要

かわさき市政だより

 幸区に知的障害のある人たちが通う福祉サービス事業所「セルプきたかせ」があります。3階の一角はアトリエとなっていて、施設利用者が絵画活動を行っています。 アトリエでは、ある女性が水彩色鉛筆を握り、画用紙に色を重ねています。隣の男性は大きなキャンバスにパステルカラーの模様を華やかに描いていました。 「彼らの作品は、商品のデザインにも多数採用され、ワンピースなどが実際に販売されています。作品はアートとして評価されているんです」と話すのは、同施設で絵画講師を務める大おお平だいら暁さとるさん(=左写真=)。同施設に通う14人がアーティストとして所属する「studio FLAT」の代表でもあり、アート作品の商品化に結び付けました。 「障害のある人の作品をデザインや広告で使う企業との仲介を行うNPO法人を通じて、作品は商品化されています。これからも施設と保護者の協力を頂きながら、障害のある人のセンスや色感を生かし、障害のあるなしにかかわらずにアートとしての価値を見いだすことが私の役割だと思っています」と話してくれました。多様な働き方ができる社会へ 市内には障害者手帳所持者が、57,395 人(身体:36,761 人、知的:9,499 人、精神:11,135 人※ 29 年4 月時点)おり、市生活ニーズ調査からは、企業や自宅などで働く人の割合は4 ~ 5 人に1 人程度になっています。市では、さまざまな障害者の就労支援を行っており、短時間雇用創出プロジェクトやK-STEPなどの取り組みを紹介します。水彩色鉛筆と絵の具を塗り重ね、作品を完成させる。色はその時々で変わり、まるで言葉のように表現される。平田 貴子HIRATA TAKAKO鉛筆の細かいタッチと絵の具の大胆なタッチが華やかにキャンバスに広がる。宮本 憲史朗MIYAMOTO KENSHIRO短時間雇用創出プロジェクトのこれまでの実績(2016年4月~2018年8月)※その他は、発達、難病等 心身などのコンディションにより短い時間であれば働ける障害のある人と企業をつなぎ、週に主に20時間未満の多様な働き方を作り出す取り組みです。東京大学や市内企業などと連携しながら進めています。自治体初短時間雇用創出プロジェクト障害のある人の就労支援に向けて障害のある人のセンスや色感を生かす就職者数身体2 人知的4 人精神27 人その他3 人合計36 人週の労働時間5 時間未満16 人5 ~ 10 時間未満13 人10 ~ 15 時間未満5 人15 時間以上2 人平均就労時間6 時間仕事の内容(抜粋)書類のデータ化(スキャン)金属製品の外観全数検査送迎車の清掃医療機器の洗浄物品の在庫管理株式会社スタックス専務取締役星野 佳史さん東京大学 先端科学技術研究センター准教授近藤 武夫さん 短時間雇用創出プロジェクトに参加し、周囲とのコミュニケーションに問題を抱えやすい精神障害者Aさんを雇用する金属加工会社の星野 佳史さんに話を伺いました。 労働者に平均的にあれもこれもとなんでもできることを求めてきた慣習が、働くことの壁になっている場合があります。求める仕事内容を雇い主がはっきりさせ、その働きに対して評価と感謝を返すことができる土壌と仕組みを作ることで、公平な職場が生まれます。公平な職場は、個人の強みに注目し、異質な部分をおおらかに受け止める「寛容さ」を生むと考えています。「公平さ」と「寛容さ」を一人一人が共有していくことで誰もが働きやすい社会になっていくのだと思います。Q 職場の状況はどうですかA 就労間もない頃のAさんは、慣れない環境で戸惑いもあり、周囲を驚かせるこ周りの理解が大切 障害者の短時間雇用を推奨する東京大学の近藤 武夫さんにコメントを頂きました。「公平さ」と「寛容さ」の共有を!ともありましたが、周りの従業員の理解などもあり、1年が経過した今では、周囲にも溶け込み一緒に仕事をしています。Q どんな仕事を任せていますかA やってもらう仕事を事前に切り出し、求める人材を伝えた上で、市にマッチングしてもらったのがAさんです。我が社は、ミリ単位の神経を使う作業が多いのですが、繰り返す作業が得意なAさんの仕事ぶりは正確で、会社としても高く評価しています。Q 障害者の雇用を考えている方へ  アドバイスをA まずは、障害者の就労体験を受け入れてみてはどうでしょうか。特性を生かす働き方のイメージが湧いてくると思います。雇用者へインタビュー識者からのコメントR e p o r t02 かわさき市政だより全市版2018( 平成30)年 9 月1 日号 No.1192